A.初回から十分な治療効
本郷心療内科の通院回数が少ない一番の理由は、たった1回の受診で十分な治療効果が得られる方が多いからです。例えば、結婚式のスピーチが心配というような方は、通常、スピーチ用の頓服薬をもらうだけで通院は1回で終了です。B.薬を十分処方
保険診療のクリニックでは1ヶ月分どころか、1〜2週間分の処方で長期間通院しなければならない所が沢山あります。特に出来て2〜3年程度の新しいクリニックでは経営上の理由もあり、そのような傾向があります。当クリニックでは保険診療の制約がないため、患者さんに御満足いただける量のお薬を処方できます。そのため、本郷心療内科では平均通院間隔が1年以上となっております。
C.SSRIは必要最小限の使用に抑える
本郷心療内科の通院回数が少なくて済むもう一つの理由は、SSRIというタイプの抗うつ剤の使用が少ないためです。SSRIは社交不安障害にも効果があることが近年話題になり、デプロメールやルボックスという薬が沢山使われるようになりました。ただし、SSRIは毎日服用しないと効果が得られないことと、副作用等をチェックしながら服薬量を調整しなければならないため、2週間毎位の長期間(数ヶ月〜1年以上)の通院が必要となります。
現在、SSRIは社交不安障害の治療薬として、まるで唯一の特効薬であるかのように宣伝されていますが、私はそのようには考えておりません。他の薬で、しかも1回の受診で済ませられることも多いのです(社交不安障害の薬物療法を御参照ください)。社会不安障害の治療経験の少ない医師は、初診の時からSSRIを多用する傾向があります。因みに、当クリニックでは、SSRIを処方されている患者さんは、社会不安障害の患者さんの1割にもなりません。
SSRIを使用すると、通院回数も出費も何倍にも増えます。毎日服用することから副作用も多くなります。例えば重大な副作用として、デプロメールやルボックスによる意識消失が報告されており、車の運転は中止しなければいけません。私はSSRIの有効性を評価してはおりますが、、SSRIを投与しなければならない患者さんは、けっして多くはなく、本当に必要な患者さんに慎重に使用すべき薬剤と考えております(現在、本郷心療内科では新規のSSRIの処方は行っておりません)。
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