書痙および
発表恐怖症(あがり症) (50代 男性 会社重役)
(受診前のメール)
先生のHPを拝見し、大変な驚きと信じがたい気持ちでいっぱいです。私は今まで「書痙」は自分のもって生まれた 遺伝的な性格であって、治療可能な病気であるなどと思ったことはありませんでした。HPの治療例などすべて夢中になって読ませていただきました。治療もしていな いのに、何か目の前がパッと明るくなった気がします。今までの、本当に死にたくなるような悩みが解消されるのだろうか?今までやれなかったことに、どんどん挑戦できるの だろうか?本当ならこんな夢のようなことはありません。
私が小学1年の時、こんな事がありました。学芸会の開会式で、私が「はじめの言葉」をやることになったのです。しかしながら、壇上に上がった私は、一言も話すことができず、ただ立っているばかりでした。しーんとしていた会場がざわざわし始め、私は壇上から抱きかかえられるようにしておろされました。幼い私はそのときは、緊張するとかいうのとは遠いところにいたように思います。ただ、この幼児体験は忘れられない出来事です。
ふるえを初めて意識したのは、小学3年生の頃だったと思います。私は字が上手なほうで、書き初めなどもよく入賞していました。そんなある日、みんなの前でお手本を書くことになったのです。スムースに書き出しましたが、途中から なぜか細かなふるえが起きました。問題なく書き終えたのですが、それが最初の経験で した。
それからずっと意識することなく、学生時代を過ごしましたが、卒業後、友人の結婚式で記帳するのに字がふるえ、それ以来ひどくなっています(それまでも結婚式があったが、ふるえはなかった)。
私の今の症状は、治療例にあります50代男性とまるっきり同じで、記帳時の手のふるえが深刻です。また人前で話すときの緊張もひどく、大変な思いをしています。 来年からは取締役に就任し、人前で話すことも多くなりますし、部下や同僚の結婚式、葬儀の席などの機会も増えます。何とか治せればと思って います。
私の幼児体験から長々お話しさせてもらいました。今までこんな話は誰にもしたこ とはありません。妻にも話せないでいます。どうか私に合った治療をしていただき少 しでも治癒できればと願っています。
(1回受診後のメール)
今日、銀行の方とお会いし、融資の契約書に面前署名することになりました。1時間前位に、いただいた薬を服用しました。字を書く段になると緊張はしましたが、先生に言われたとおり「ゆっくり、大きく」書き出したら、不思議と少しの震えもなくしっかりした字が書けました。今までは必ず緊張して、字がどうしようもないくらい震えてしまったのですが、今日は住所や名前を書きながら、相手の方と話ができるほど余裕がありました。早く書き終えてしまおうとか、心臓の動悸が早くなるということがちっともありませんでした。こんなこと久しぶり(ここ20数年来)なので、うれしくて仕方ありません。
先生にご相談してお薬を頂き一週間が経ちました。朝礼や役員会でも、薬を服用してみました。朝礼はもちろん役員会でも、積極的に自分の意見を展開することができました。自分の話していることを、自分の耳で冷静に聞けるようになったのは、すごいことです。
とにかくこの1週間で、自分でも不思議なくらい積極的になれています。昨日は会長から社外研修会の参加を勧められました。今までなら、いろいろ理由を付けて断ることが多かったのですが、対人関係で自信が持てるというのは、こんなにすごいことなんですね。妻には、「そんなにいろんな事に手を出して大丈夫なの?」と逆の心配をされています。
先生に一刻も早くお知らせしたいと思い、メールにしたためてみました。本当に一生治らないものとあきらめていたので、こんなにうれしいことはありません。本当に先生にお会いできたこと、私にとっては命の恩人と同じ、いやそれ以上です。本当にありがとうございました。結婚式等、最高に緊張する場面が乗り越えられればもう怖いものなしです。こうなると不思議なものであんなにいやだった署名、記帳を自分から設定してみて試してみたい気分にさえなっています。
薬を服用すると頭がすっきりし、冷静になれるので予想以上に速いペースで薬が無くなっています。来月には再度、クリニックを訪問させていただく予定でおりますので、よろしくお願いいたします。今晩はうれしくて興奮して、眠れそうにありません。ながながお読みいただきありがとうございました。また、状況等ご一報させていただきます。
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